Corollaryは必然に。

このブログは「コロちゃんぬ」の提供でお送りします

周期関数の和は周期関数とは限らない

#今日の推し関数 はこちら。

こちらの関数、「周期関数の和は周期関数である」の反例となっております。

今回は$\sqrt{2}$を選びましたが、お好きな無理数で成り立ちます。

問題
$\alpha$を無理数としたとき
\[
f(x)=\sin x +\sin \alpha x
\]は周期関数ではないことを証明しなさい.

よかったら証明を考えてみてください。

なお、関数$f$が周期$T>0$の周期関数であるとは、すべての実数$x$で
\[
f(x+T)=f(x)
\]をみたすことをいいます。









それでは、そろそろ想定している証明を紹介します。









あ、その前にヒントを一つ。

三角関数の公式を使うんですけれど、その場で作って思い出す人が多い(?)あの公式です。









そろそろ、証明いきますよ?









証明
$f$は周期$T>0$の周期関数と仮定すると

\begin{align*}
\sin (x+T) +\sin (\alpha (x+T))&=\sin x +\sin \alpha x\\
\sin (x+T) - \sin x&=-\big(\sin (\alpha x+\alpha T)-\sin \alpha x\big)\\
\cos\left(\frac{2x+T}{2}\right)\sin \frac{T}{2}&=-\cos \left(\alpha \left(\frac{2x+T}{2}\right)\right)\sin \frac{\alpha T}{2}
\end{align*}

よって,$\cos x \sin \frac{T}{2}=-\cos \alpha x \sin \frac{\alpha T}{2}$が成り立つ.これに$x=-\frac{\pi}{2}$,$\frac{\pi}{2\alpha}$を代入すると
\begin{align*}
\cos\dfrac{\alpha\pi}{2}\sin\dfrac{\alpha T}{2}=0,\\
\cos\dfrac{\pi}{2\alpha}\sin\dfrac{T}{2}=0.
\end{align*}$\alpha$は無理数なので$\cos\frac{\alpha\pi}{2}\neq0$,$\cos\frac{\pi}{2\alpha}\neq0$.よって$\sin\frac{\alpha T}{2}=\sin\frac{T}{2}=0$となるから,$\alpha T=2n\pi$,$T=2m\pi$と表せる($n$,$m\neq0$は整数).よって$\alpha=\dfrac{n}{m}$となるのでこれは$\alpha$は無理数であることに矛盾する.■





はい、和積の公式を使って証明してみました。

もっといい証明があるよ!というのがあればぜひコメントしてください!



今日はこの辺で!


thank Q for rEaDing.φ(・▽・ )