Corollaryは必然に。

まだ7つしか書いてないけれども、数学ブログ開設1周年(白目)

アニメ映画『時をかける少女』の数学Ⅱの小テストを解読してみた

細田守監督のアニメ映画『時をかける少女』公開10周年記念で、7月にイベントが行われる模様。
www.cinemacafe.net

好きな作品なので、録画したものを何度も見ています。



さっそく本題ですが、序盤で主人公たちは小テストを受けています*1

https://pbs.twimg.com/media/CKIUksYUAAAZct1.png

「おお、数学じゃん。どんな問題なんだろう?」と思って
 時をかける少女 数学 テスト
などで検索してみたけど、全然ヒットしない。まじかよ!10年経ってるのに。

「じゃあ解読すっか!」
ということで、解読しました。


ただ、この投稿は『時をかける少女』がテレビ放送された後の深夜に投稿したので、フォントの再現まで配慮が行き届いていません。
色々試した結果、この小テストが「すべて同じフォントで統一されている」という仮定の下では
 “Yu Gothic UI Semilight”
が一番近かったです*2
その他、文字位置の微調整を施したものをこちらに再投稿します*3
Dropbox - tokiwokakerusyojo.pdf


※ちなみに制限時間ですが、本編では黒板に8:55~9:35と書かれてあります。この問題量で40分!?裏面に問題が無いことも本編で確認済み。さすがに長すぎぃ!


答案から問題を確定させる

さあ、ここから先は、小テストの解読について解説していこうと思います。

解読方法ですが、「20インチのテレビ」「金曜ロードSHOW!の録画データ」部屋を明るくして「近くで」見ました。

では、小テストのシーンをもう一度。

https://pbs.twimg.com/media/CKIUksYUAAAZct1.png

数学Ⅱの小テストであることはすぐ分かります。これを考慮に入れて録画データを凝視すると...

問1 \thetaが第?象限の角であって,???\theta=\dfrac{分}{数}であるとき,???\theta???\thetaを求めよ。

問2 ???\theta=-?のとき,???\theta???\thetaの値(以降、真琴の手で見えない

問3 次の等式を証明せよ。
  \displaystyle\dfrac{???\theta}{1+???\theta}=\dfrac{1-???\theta}{???\theta}

三角関数であることは分かりましたが、\sin\theta\cos\theta\tan\thetaの違いに確信を持てず。「正確に解読すんのは無理なのかぁ」と一瞬諦めましたが、小テストのシーンはここだけではありません。タイムリープを取得した真琴は過去に戻って100点を取っています。そのシーンがコチラ

https://pbs.twimg.com/media/CKIUlK7UcAE5ih6.png

このシーンの2秒前はもっとクローズアップしているから、問1、問2の真琴の答案が読めるぞぉ!答案のおかげで問題を確定させることが可能です。例えば、問1の答案の最初の一行だけ引用すると...
\displaystyle \sin^2\theta=1-\cos^2\theta=1-\bigg(-\dfrac{3}{5}\bigg)^2=\dfrac{16}{25} \thetaが第3象限の角であるから\sin\theta<0

「第3象限」の部分は赤ペンと重なって見えにくかったですが、\cos\theta<0\sin\theta<0が分かっているので、第3象限が確定しますね。よって、問1は

問1 \thetaが第3象限の角であって,\cos\theta=-\dfrac{3}{5}であるとき,\sin\theta\tan\thetaを求めよ。

でした。



同様に、問2に書いてある答案の1行目は
 \displaystyle \cos^2\theta=\dfrac{1}{1+\tan^2\theta}=\dfrac{1}{1+(-3)^2}=\dfrac{1}{10}から\cos\theta=\pm\sqrt{\dfrac{1}{10}}=\pm\dfrac{1}{\sqrt{10}}

とあるので、問2は

問2 \tan\theta=-3のとき,\sin\theta\cos\thetaを求めよ。

だと分かります(\sin\theta\cos\thetaの順番もぼんやり認識できました)。



問3は少し見づらかったですが、+と-、sとcの判別はなんとかできました。一行目だけ引用すると...
 \displaystyle \dfrac{\sin\theta}{1+\cos\theta}=\dfrac{\sin\theta(1-\cos\theta)}{(1+\cos\theta)(1-\cos\theta)}=\dfrac{\sin\theta(1-\cos\theta)}{(1-\cos^2\theta)}

2行目は分母を\sin^2\thetaにして、\sin\thetaで割った形跡が見られるので、問3の証明問題は

問3 次の等式を証明せよ。
  \displaystyle\dfrac{\sin\theta}{1+\cos\theta}=\dfrac{1-\cos\theta}{\sin\theta}


隠されし問3 (2)

解読完了!と思ったのもつかの間。もう一度画像を見直してみると

f:id:corollary2525:20160611091415p:plain

なんだこの答案?問題1つにマル2つ?問2は解が2つあるからマルも2つあっていいけど。

まさか...

f:id:corollary2525:20160611201944p:plain

これか!?これが(2)なのか!?

あっ、そういえば最初のシーンで...

f:id:corollary2525:20160611202734p:plain

この部分よく分からなかったけど、(1)のことだったのか!

ということで隠されし問3 (2)を完全解読すべく、改めて問題を凝視。しかし、カメラが引きすぎてザックリとしか分かりませんでした。

問3 次の等式を証明せよ。
  (2)\displaystyle\Bigg(???\theta \pm \dfrac{?}{???\theta}\Bigg)???\theta=\dfrac{?}{???\theta}(???\theta\pm ???\theta)

「2乗の有無」「プラスマイナス」「イコールの場所」「括弧の閉じる場所」が不安です。僕が見えていないだけで、かけ算ではなくて \pmの符号がある可能性も捨てられない(フラグ)。要するに、ほとんど分からない。

次に、解読の鍵となる真琴の答案ですが、これもはっきり見えないし、その上見切れています。年度初めの視力検査以上に全力で見ましたが、これが限界でした:

f:id:corollary2525:20160612171335p:plain

うん、\cos^2\thetaしか分かんない。2乗は付いていない気もする。僕の視力を信じて、2乗はあるものと仮定して議論します(後にどちらが正しいのか分かります)。

そして、これだけの概形が分かれば、意外と予想が立てられます。

問3 (2)の問題が何なのか、よかったら皆さんも考えてみてください。

考える方がいましたら、問題の概形(青枠)はあてにしないほうがいいです(超重要)。












解き明かされし問3 (2)

まず、この式変形に注目します。

f:id:corollary2525:20160612171348p:plain

途中で分数になって、分数が消えています。三角関数で分数が出てくる公式として最初に思い浮かぶのは、\displaystyle\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}ですね。僕にはこれを使って\cos^2\thetaを約分し、\sin^2\thetaに変形したように見えます(唯一読めた\cos^2\thetaが読めなくても大丈夫だったっぽい)。
また、最初の問題の概形と照らし合わせて、これは分配法則で括弧を外す計算と考えて間違いないでしょう。

あと、不自然な空白からの不明瞭なこの部分:

f:id:corollary2525:20160612182446p:plain

恐らくですが、左辺の式変形が終わって、「……①」と書いたんだと思います。「……」は見えなかっただけかもしれないし、書いてないかもしれないけど。

ということで、問3 (2)の左辺はこうだったと予想します:

問3 次の等式を証明せよ。
  (2)\displaystyle\Bigg(\cos^2\theta + \dfrac{1}{\tan^2\theta}\Bigg)\tan^2\theta=\dfrac{?}{???\theta}(???\theta\pm ???\theta)



残りは右辺のみ。同様に、この部分↓も \tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}を使って計算したと思われます:

f:id:corollary2525:20160612171401p:plain

ここで、問題の概形(青枠の式)が正しいと仮定すると、分数式を含む式が2つあるはずなのに無い。最初の方に分数っぽいものは見えます。つまり、右辺の分数は括弧の式とかけ算するのではなく、足し算引き算の可能性が浮上します。しかし、仮に足し算となると、問題の数式に括弧をつける意味が無い。答案をみると、括弧を外す計算をしているように見える。

散々悩んだ結果、実はこうだったんじゃないか?という発想に至りました:

問3 次の等式を証明せよ。
  (2)\displaystyle\Bigg(\cos^2\theta + \dfrac{1}{\tan^2\theta}\Bigg)\tan^2\theta=\dfrac{?}{???\theta}\pm(\cos^2\theta\pm 1)\tan^2\theta

これなら、答案の3行目の式変形は括弧を外す計算として辻褄が合います。これを仮定して計算していくと
 (右辺)=\dfrac{?}{???\theta}\pm\sin^2\theta\pm \tan^2\theta\tag{★}
となります。この式が左辺の計算結果であった\sin^2\theta+1になればよいですね。
(★)を眺めていると \dfrac{?}{???\theta}\pm\tan^2\theta=1だといいな~という欲求が湧いてきます。これはもう三角関数の相互関係 1+\tan^2\theta=\dfrac{1}{\cos^2\theta}を使わずにはいられません!よって

 (右辺)=\dfrac{1}{\cos^2\theta}+\sin^2\theta - \tan^2\theta

以上より、問3 (2)はこうなります:

問3 次の等式を証明せよ。
  (2)\displaystyle\Bigg(\cos^2\theta + \dfrac{1}{\tan^2\theta}\Bigg)\tan^2\theta = \dfrac{1}{\cos^2\theta} + (\cos^2\theta - 1)\tan^2\theta

最後に補足ですが、問3 (2)を解き明かす前に、次を仮定しました:

うん、\cos^2\thetaしか分かんない。2乗は付いていない気もする。僕の視力を信じて、2乗はあるものと仮定して議論します(後にどちらが正しいのか分かります)。

もし、2乗が無かったら三角関数の相互関係 1+\tan^2\theta=\dfrac{1}{\cos^2\theta}の式が使えません。やはり2乗は必要であり、僕の眼は間違っていませんでした。


まとめ

僕の眼力と考察で『時をかける少女』の小テストを解読した結果、このようになりました:

問1 \thetaが第3象限の角であって,\cos\theta=-\dfrac{3}{5}であるとき,\sin\theta\tan\thetaを求めよ。


問2 \tan\theta=-3のとき,\sin\theta\cos\thetaを求めよ。


問3 次の等式を証明せよ。
  (1)\displaystyle\dfrac{\sin\theta}{1+\cos\theta}=\dfrac{1-\cos\theta}{\sin\theta}

  (2)\displaystyle\Bigg(\cos^2\theta + \dfrac{1}{\tan^2\theta}\Bigg)\tan^2\theta = \dfrac{1}{\cos^2\theta} + (\cos^2\theta - 1)\tan^2\theta

え?解答?簡単だから読者に任せます。


thank Q for rEaDing.φ(・▽・ )

*1:著作権を考慮して画像品質を下げています。それでもホントはダメだよね。権利者の申し立て等があれば削除します。

*2:よく見ると日付「7/13」のフォントが違う。ゴシック系だと思うけど何だろう?

*3:問題文の文字の大きさは再現していません。あまりにも小さすぎたので。