細田守監督のアニメ映画『時をかける少女』公開10周年記念で、7月にイベントが行われる模様。※すでに終了しています
www.cinemacafe.net
好きな作品なので、録画したものを何度も見ています。
さっそく本題ですが、序盤で主人公たちは小テストを受けています*1。
「おお、数学じゃん。どんな問題なんだろう?」と思って
時をかける少女 数学 テスト
などで検索してみたけど、全然ヒットしない。まじかよ!10年経ってるのに。
「じゃあ解読すっか!」
ということで、解読しました。
『時をかける少女』で真琴が最初9点だった小テストを再現しました。
— コロちゃんぬ (@corollary2525) 2015年7月17日
問3 (2)の解読が難しかった。http://t.co/qIqg8Rg9Ez
ただ、この投稿は『時をかける少女』がテレビ放送された後の深夜に投稿したので、フォントの再現まで配慮が行き届いていません。
色々試した結果、この小テストが「すべて同じフォントで統一されている」という仮定の下では
“Yu Gothic UI Semilight”
が一番近かったです*2。
その他、文字位置の微調整を施したものをこちらに再投稿します*3。
Dropbox - tokiwokakerusyojo.pdf - Simplify your life
※ちなみに制限時間ですが、本編では黒板に8:55~9:35と書かれてあります。この問題量で40分!?裏面に問題が無いことも本編で確認済み。さすがに長すぎぃ!
答案から問題を確定させる
さあ、ここから先は、小テストの解読について解説していこうと思います。
解読方法ですが、「20インチのテレビ」で「金曜ロードSHOW!の録画データ」を部屋を明るくして「近くで」見ました。
では、小テストのシーンをもう一度。
数学Ⅱの小テストであることはすぐ分かります。これを考慮に入れて録画データを凝視すると...
問2 のとき,,の値(以降、真琴の手で見えない
問3 次の等式を証明せよ。
三角関数であることは分かりましたが、,,の違いに確信を持てず。「正確に解読すんのは無理なのかぁ」と一瞬諦めましたが、小テストのシーンはここだけではありません。タイムリープを取得した真琴は過去に戻って100点を取っています。そのシーンがコチラ
このシーンの2秒前はもっとクローズアップしているから、問1、問2の真琴の答案が読めるぞぉ!答案のおかげで問題を確定させることが可能です。例えば、問1の答案の最初の一行だけ引用すると...
が第3象限の角であるから
「第3象限」の部分は赤ペンと重なって見えにくかったですが、とが分かっているので、第3象限が確定しますね。よって、問1は
でした。
同様に、問2に書いてある答案の1行目は
から
とあるので、問2は
だと分かります(,の順番もぼんやり認識できました)。
問3は少し見づらかったですが、+と-、sとcの判別はなんとかできました。一行目だけ引用すると...
\[\dfrac{\sin\theta}{1+\cos\theta}=\dfrac{\sin\theta(1-\cos\theta)}{(1+\cos\theta)(1-\cos\theta)}=\dfrac{\sin\theta(1-\cos\theta)}{(1-\cos^2\theta)}\]
と書いてありました。2行目は分母をにして、で割った形跡が見られるので、問3の証明問題は
隠されし問3 (2)
解読完了!と思ったのもつかの間。もう一度画像を見直してみると
なんだこの答案?問題1つにマル2つ?問2は解が2つあるからマルも2つあっていいけど。
まさか...
これか!?これが(2)なのか!?
あっ、そういえば最初のシーンで...
この部分よく分からなかったけど、(1)のことだったのか!
ということで隠されし問3 (2)を完全解読すべく、改めて問題を凝視。しかし、カメラが引きすぎてザックリとしか分かりませんでした。
(2)
「2乗の有無」「プラスマイナス」「イコールの場所」「括弧の閉じる場所」が不安です。僕が見えていないだけで、かけ算ではなくての符号がある可能性も捨てられない(フラグ)。要するに、ほとんど分からない。
次に、解読の鍵となる真琴の答案ですが、これもはっきり見えないし、その上見切れています。年度初めの視力検査以上に全力で見ましたが、これが限界でした:
うん、しか分かんない。2乗は付いていない気もする。僕の視力を信じて、2乗はあるものと仮定して議論します(後にどちらが正しいのか分かります)。
そして、これだけの概形が分かれば、意外と予想が立てられます。
問3 (2)の問題が何なのか、よかったら皆さんも考えてみてください。
考える方がいましたら、問題の概形(青枠)はあてにしないほうがいいです(超重要)。
解き明かされし問3 (2)
まず、この式変形に注目します。
途中で分数になって、分数が消えています。三角関数で分数が出てくる公式として最初に思い浮かぶのは、ですね。僕にはこれを使ってを約分し、に変形したように見えます(唯一読めたが読めなくても大丈夫だったっぽい)。
また、最初の問題の概形と照らし合わせて、これは分配法則で括弧を外す計算と考えて間違いないでしょう。
あと、不自然な空白からの不明瞭なこの部分:
恐らくですが、左辺の式変形が終わって、「……①」と書いたんだと思います。「……」は見えなかっただけかもしれないし、書いてないかもしれないけど。
ということで、問3 (2)の左辺はこうだったと予想します:
(2)
残りは右辺のみ。同様に、この部分↓もを使って計算したと思われます:
ここで、問題の概形(青枠の式)が正しいと仮定すると、分数式を含む式が2つあるはずなのに無い。最初の方に分数っぽいものは見えます。つまり、右辺の分数は括弧の式とかけ算するのではなく、足し算引き算の可能性が浮上します。しかし、仮に足し算となると、問題の数式に括弧をつける意味が無い。答案をみると、括弧を外す計算をしているように見える。
散々悩んだ結果、実はこうだったんじゃないか?という発想に至りました:
(2)
これなら、答案の3行目の式変形は括弧を外す計算として辻褄が合います。これを仮定して計算していくと
となります。この式が左辺の計算結果であったになればよいですね。
(★)を眺めているとだといいな~という欲求が湧いてきます。これはもう三角関数の相互関係を使わずにはいられません!よって
以上より、問3 (2)はこうなります:
(2)
最後に補足ですが、問3 (2)を解き明かす前に、次を仮定しました:
うん、しか分かんない。2乗は付いていない気もする。僕の視力を信じて、2乗はあるものと仮定して議論します(後にどちらが正しいのか分かります)。
もし、2乗が無かったら三角関数の相互関係の式が使えません。やはり2乗は必要であり、僕の眼は間違っていませんでした。
まとめ
僕の眼力と考察で『時をかける少女』の小テストを解読した結果、このようになりました:
問2 のとき,,を求めよ。
問3 次の等式を証明せよ。
(1)
(2)
え?解答?簡単だから読者に任せます。
thank Q for rEaDing.φ(・▽・ )